新時代の新選組【誕生秘話】
自然の力が障害を癒やす
iLife工房東生駒(障害者さんが働く作業所)では、
障害者さんの才能・やりがい・モチベーションを重視した仕事創りを行っており
農業もある障害者さんの「私、農業がやりたい!」という声からスタートしました。
実は、精神疾患(障害)には
植物の「癒し」の力を科学的に応用した「グリーンセラピー」が効果がある、と言われており
『収入』と『症状改善』
の良いところ取りができる、と考えて
すぐに「iLife農園」を開始しました。
1年やったが、挫折
当然ですが、我々には福祉の知識はあっても農業の知識がありません。
その解決策として
生駒市近隣で農業を営む農家さんに農業指導を依頼し、
約200坪の土地で「売れる野菜」を栽培開始しました。
しかし、
- よっこいしょ、と休憩する時に苗の上に座ってしまう
- 雑草だと思って作物を引っこ抜く
- 体調不良で水やりに行けない
など、様々な課題の前に「売れる品質の野菜」を栽培することはできませんでした。
農家さんに
「後、2〜3年は作業の習熟にかかる」
と言われ、「工賃を払えない状況が2〜3年続くのは厳しすぎる」と考え
農作物の生産は断念することになりました。
障害者の平均月給は約16000円
障害者さん達は農業活動を非常に楽しくやられており、
充実感を得られる体験になったようです。
グリーンセラピーの効果もあり、
イキイキしているのが明らかに感じられました。
しかし…工賃は「0円」です。
それでなくても、障害者の月給は非常に少なく
全国平均16000円と言われています。
(厚生労働省のB型作業所平均)
充実感、イキイキワクワク・・・だが、収入は無し。
このジレンマに悩まされました。
たまたまの草刈り依頼で転機が訪れる
農業をしているということで、
たまたま草刈りの依頼を農家さんから頂きました。
全く知らなかったのですが、
草刈りの相場は想像以上に高く
1坪500円もするそうです。
大きな農地を持つ農家さんは、坪数が大きいため
金額も高くなりがちで非常に困っていたそうです。
農家さんの指導を受けながら
草刈り作業を実施した所
- 農業と一緒で「草刈り」も楽しい♪という声があがり
- 農作物生産よりは圧倒的に作業がやりやすく
- そして安くサービスを提供しても、
障害者にとっては高額な工賃!
と、障害者さんの仕事として
草刈りはベストマッチすることが分かりました。
新しい農福連携を創る『草刈り新選組』
農福連携とは、障害者さんが農業分野で活躍することを通じ、
自信や生きがいを持って社会参画を実現していく取組です。
農福連携の取り組みが進むことで、
障害者や高齢者、生活困窮者の働き口を創出できるとともに、
農業分野では高齢化による後継者・働き手不足の問題を解消できると期待されております。
しかしながら、農作物の生産は、現役農家の方や農業学校で学ばれた方でも難しいのが現実で
我々が1年やってダメだったように、
実は農福連携の成功率は高くはありません。
また、農福連携というと「農作物生産」のみがクローズアップされておりますが、
果たして「農作物生産」のみが農福連携でしょうか?
たまたまの草刈りで気付かされましたが、
『草刈り』も立派な農業の一環です。
そして、農家の方と連携することで
農家が求める草刈りの品質を確保することができます。
- 障害者にとっても嬉しい
- 農家にとっとても嬉しい
そんなWinWinなサービスが
古都奈良で新しい農福連携の形で始まっています。
品質についてはご安心下さい。
草刈り新選組をどうぞ、宜しくお願い致します。